●胃がん検診「バリウム検査」vs「胃内視鏡」
胃がんはわが国のがん死亡原因の上位に位置しており、罹患(り患)する人(かかる人)は50歳代から増加します。
胃がんの予防法の1つとして、「ピロリ菌感染の有無を知り、感染している場合は除菌を検討すること」です。
検診で胃がんやピロリ菌を早期に発見して治療することにより、胃がんで亡くなることを防ぐことができます。検診は自覚症状がないうちに受けることが大事です。
早期の胃がんは自覚症状がないことが少なくありません。
胃がん検診では40歳から、2年に1度定期的にバリウム検査または胃内視鏡(胃カメラ)検査のどちらかを選択して受けることができます。
(足利市では胃内視鏡検査での検診は50歳からになります。)
胃がんの予防法の1つとして、「ピロリ菌感染の有無を知り、感染している場合は除菌を検討すること」です。
検診で胃がんやピロリ菌を早期に発見して治療することにより、胃がんで亡くなることを防ぐことができます。検診は自覚症状がないうちに受けることが大事です。
早期の胃がんは自覚症状がないことが少なくありません。
胃がん検診では40歳から、2年に1度定期的にバリウム検査または胃内視鏡(胃カメラ)検査のどちらかを選択して受けることができます。
(足利市では胃内視鏡検査での検診は50歳からになります。)
バリウム検査


発泡剤(胃をふくらませる薬)とバリウム(造影剤)を飲み、X線(レントゲン)を使用して食道や胃、十二指腸の中の粘膜を間接的に観察する検査です。
【メリット】
- 内視鏡検査と比べ費用が安い
- 検査時間が短い
【デメリット】
- バリウムが腸内で詰まって腸閉塞を起こすことがある。(高度の便秘の方はリスクが高いです)
- 小さな病変(早期がんなど)や、骨や十二指腸の影になる部分の病変は見逃されやすい(精度に限界がある)
- バリウム検査で異常があった場合は二次検査(精密検査)として内視鏡検査が必要。
(2度手間になる)
胃内視鏡(胃カメラ)
内視鏡(カメラ)で食道・胃・十二指腸の内部を直接観察する検査です。内視鏡には口から、または鼻から挿入するものがあり、それぞれ「経口内視鏡」「経鼻内視鏡」といいます。
【メリット】
- 内視鏡検査は胃の粘膜を直接見ることができ、小さな病変も見つけられる
- 検査時に疑わしい部位が見つかれば、そのまま生検(組織の採取)を行うことができる。
※抗凝固剤(血液をサラサラにする薬)を内服している方は、行えない場合もあります。
【デメリット】
- のどや鼻の麻酔が必要なため、トータルの検査時間が長い
- 経口の場合、管が舌の根元に触れることで、咽頭反射(嘔吐感)が起こりやすい
- 経鼻の場合、鼻粘膜が傷つく恐れがある(鼻血など)
- 胃や食道の出血や穴をあけてしまう「穿孔(せんこう)」が起きるリスク
ピロリ菌感染の有無や、胃がんリスクを評価するためにも一度は内視鏡検査をお勧めします。経鼻内視鏡や鎮静剤の使用などで、以前よりも苦痛が少ない検査になっています。
初期の胃がんは自覚症状がほとんどなく、バリウム検診を通して進行した胃がんで見つかることも少なくありません。日本では罹患数が多いがんであり、誰でも罹患する可能性がある胃がんの早期発見には、内視鏡検査はとても有効です。
定期的な検診が大切だからこそ、抵抗や負担が少ないと感じる検査を選ぶことも一つの選び方です。メリット・デメリットを認識し、内視鏡検査も視野に入れて検討することをおすすめします。
※バリウム、内視鏡検査ともに既往歴(過去罹った、もしくは通院中の病気)や内服薬によって受けられない場合があります。
治療中の疾患のある方は、かかりつけ医に胃部内視鏡検査の実施についてご相談いただき、実施は問題ないことを確認のうえご受診をお願いします。
【下記に該当する方はバリウム検査による検診を受けられません】
- 過去にバリウム検査を受けてアレルギー症状があった方
- 妊娠中(可能性も含む)の方
- 腹部または消化器の手術をして1年以内の方
- 腸閉塞(腸捻転)の既往のある方、炎症性腸疾患で治療中の方
- 水や食べ物でよくむせる方、誤嚥しやすい方
- 検査当日に食事をした方(食後10時間未満のかた)、体調が悪い方
- 体重が130Kg(耐久体重)を超える方
- 現在下腹部痛がある方、または頑固な便秘症がある方
- 腎臓病(人工透析)などで水分制限を受けている方
- 腹部または消化器の手術の既往がある方
- 過去1年以内に腹部以外の手術をされた方
- 持病をお持ちの方、定期的に薬を服用されている方
【下記に該当する方は胃内視鏡検査による検診を受けられません】
- 妊娠中、または妊娠の可能性のある方
- キシロカイン(胃部内視鏡検査や歯科治療等で局所麻酔に使用する薬)のアレルギーがある方
- 抗血栓薬治療中の方 ※1
- 咽頭、鼻腔などに疾患があり、内視鏡の挿入ができない方
- 呼吸不全のある方
- 明らかな出血傾向またはその疑いのある方 ※2
- 全身状態が悪く、胃内視鏡検査に耐えられないと判断される方
※1 抗血栓、服薬状況については、必ずお薬手帳をお持ちください(服薬の状況に応じて、生検実施不可の場合がございます)
※2 原則、自覚症状がない方は対象とします。
現在、消化器症状(胃痛や黒色便など)のある方は、通常外来へのご受診をおすすめします。