●しつこい便秘、実は「落下腸」かも

「おなか」のお話―漆原史彦医師より―
子供の頃から便秘症で、スリムな体形をしているのに下腹部がポッコリ出てしまう、食後にお腹が張って辛いといった症状で悩まれていませんか。
便秘外来に受診される方で健康を意識されて運動習慣もあり、食事でもダイエットしているのに良くならないと話されることもしばしばです。
こういった方に腹部レントゲンを撮ると多くの方で横行結腸が骨盤内に落ち込んでいる所見を認めます。またこの所見は立位ではみられるのに、横になって撮ったレントゲンでは腸の位置が通常に戻ります。
これは “落下腸”と言われるものに当たると考えています。
落下腸とは、生まれつきの腸の形に加え、加齢や出産、運動不足などで腹筋や骨盤底筋の低下が要因となり腸が本来の位置から下がった状態になることです。
また近年ではスマホなどの長時間の使用による猫背などの姿勢の乱れも影響しています。
≪落下腸セルフチェック≫
• 子供の頃から便秘だった。
• 便秘のとき、いつも同じ場所が痛みやすい。
• 便秘の後、下痢や軟便になりやすい。
• 運動量が減ると便秘になりやすい。
• 立ち上がったときに下腹部がポッコリ出る。
落下腸による便秘の場合、通常の便秘外来でお伝えする有酸素運動やお腹をねじるような腹筋などの運動指導や、食物繊維摂取などの食事指導だけではなかなか改善しないことも多いようです。
国立病院機構久里浜医療センター内視鏡部長でいらっしゃる水上健先生の著書「ねじれ腸 落下腸」の中で落下腸の便秘に効くおなかのマッサージが紹介されています。
今回はその一部を引用させていただくので、ぜひ参考にしてみてください。

それでも改善しない場合は排便状況や生活習慣を踏まえた、患者様お一人お一人に合った内服加療もご提案しますので一度消化器内科を受診してください。お気軽に相談にいらしてください。
≪落下腸・立位≫
横行結腸(黄色枠線内)が骨盤内まで落ち込み、本来あるべき位置(青色枠線)は空っぽに。

≪落下腸・臥位(横になって撮影)≫
横行結腸が上に上がり、本来の位置に近づいている

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