●ピロリ菌と蕁麻疹
「おなか」のお話―漆原史彦医師より―
以前からピロリ菌感染が蕁麻疹の発病に関連があるとされていましたが、ピロリ菌を除菌することが蕁麻疹の治癒や寛解(改善)に有益なのかについて調べてみました。
2018年に韓国の研究グループが行ったメタ解析(複数の試験の結果を複合して分析するエビデンスの高い研究)で、22試験、1385例の蕁麻疹患者が対象となりました。
その中で
・ピロリ菌がいない人は、いる人と比べて、蕁麻疹がよくなる割合が高かった。
・ピロリ菌がいる人の中でも、除菌治療を受けた人は、受けなかった人よりも蕁麻疹がよくなる傾向があった。
・除菌治療がうまくいったかどうかと、蕁麻疹がよくなるかどうかには、はっきりした違いは見られなかった。
という結果が分かりました。
このことでピロリ菌除菌を行った慢性蕁麻疹患者は、除菌が成功したかにかかわらず、高率で蕁麻疹の改善が期待できると言えると考えます。
現在、保険診療でピロリ菌感染の有無を調べるには胃カメラを受けて、萎縮性胃炎や胃潰瘍を診断する必要があります。
また日本におけるピロリ菌除菌の成功率は90%を超えており、蕁麻疹の改善が期待できるほか、胃潰瘍や胃がんの予防にもつながります。
蕁麻疹でお悩みの方は一度胃カメラをご検討ください。
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